reichasm’s blog

なで肩からずり落ちるトート

Catch up, latency

ニゾンの新譜はめちゃくちゃ待ち遠しいものというよりは、日常生活を送る中でふとした時に降ってくるご褒美みたいな。

 

今回のご褒美はちょっと良すぎたなあ。ちょっとねちょっと。

 

「Catch up, latency」

今季のアニメ「風が強く吹いている」の主題歌になってる。余談だが、僕の仲の良い友人は好きなアーティストの曲がタイアップになっていても絶対見ない。初回はフルで聴きたいそうだ。

 

我慢ができない(というかしない)僕は今回もアニメの主題歌を聴き、YouTubeのショートver.をアップされてはすぐさまチェック。全力で追いかけつつも、ご褒美の日を意識しないためにamazonで注文し、発売日にうっかり届くようにセット。

 

シャワーは後にして、部屋を少し暗くして、ベッドの上で、歌詞カードを見て、イヤホンをして…

 

こんなにも聴きごたえのあるシングルがあるものかと思った

まずは表題曲「Catch up, latency」

曲の長さは4分半ほどだが、YouTubeのショートver.で聴いていたため曲の3分間までは既に知っていた。(予め聴くときは歌詞を予想しとくとフルで聴いた時に違いがあってそれもまた面白い)

 

フル聴く前の曲の感想は「爽快!」

フル聴いた後は「爽快!え?壮大!?」に

 

あれ?ライブ一本、見終わったんだっけ!?って程の満足感。

 

ほんの数分前の曲始まりでは早朝にランニングしているような(したことはないが)情景が浮かんでたのに、曲の最後は何かがひとしきり終わったような感覚に。

疾走感のある曲でお腹がいっぱいになる贅沢さたるや。

 

そんな満足感の中、次の曲「たらればわたがし」へ(はすんなりいけずに、一旦停止して心を少し落ち着けたあとに)

 

「たらればわたがし」まず、曲名で一目惚れしましたね。どタイプです。

ニゾンの優しさが詰まった一曲です。

「残念だけど、どの道もなんとかなるように細工した!」

「残念だけど、どの道も幸せが見つかってしまうかもな」

この2つの歌詞はユニゾンが歌うからこそ、意味があると思う。これまでの時間を積み重ねてきたからこそ心に響く。

これまでというところで言うと「ふざけろも許せないも裏返せば次のヒントさ」という歌詞があるが、その一節に見覚えのあるワードが並んでいて、こういうところにも聴き続けたご褒美みたいなものを感じる。

この歌詞の続きは「ならそこだけマークシートして次の街へ行く」となっている。

そして、曲の最後にも「また次の街へ」と歌っている。

やはり、この姿勢なんだなあと。

 

以前、友人(始めに出てきた、曲のお初は絶対フル派の)が「(ユニゾンは)触ろうとすればするほど、遠ざかっていくようなそんな存在」と言っていて、なるほどなと思ったのを思い出した。最新アルバム「MODE MOOD MODE」収録の「君の瞳に恋してない」では曲の最後は「ちょっと信じてみてはくれませんか 保証がないのは本当だけど 僕の手握っていいから」と歌っており、(この曲、距離感がとても近いな!)という感想を持ったのは記憶に新しい。次はどんな曲が来るんだろうと思っていたので、この「たらればわたがし」で歌われている距離感温度感にとてもグッときてしまった。あくまで演者と客、それ以上でもそれ以下でもない。そんな現実までも歌う優しいユニゾンが好きだな。夢と現実の両方がつまった音楽、その複雑さがなぜか心地いい。

 

(長くなったので、3曲目は割愛!めちゃくちゃ言葉ノリが素晴らしいいい曲でした!)

 

公式ブログ(http://unison-s-g.com/blog/member/)にアップされた11月7日の記事を読むと、少し寂しくなる内容が書かれていた。

できるだけ長い時間、バンドをやめなくてもいい理由が上回り続けますように、と願うのみである。